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基準化されていないせん断試験
構造物基礎端部の周辺地盤や斜面など、初期せん断力が作用している状態で地震力などの繰返し荷重を受ける地盤の挙動を調べるものです。地盤の状態や目的によって試験方法や求める値が異なります。
繰返し三軸試験
(標準) |
(中型) |
(大型) |
■供試体寸法(mm)
標準 |
φ50㎜ |
中型 |
φ70㎜、φ100㎜、φ150㎜ |
大型 |
φ200㎜、φ300㎜ |
(1)不完全両振り試験
(a)完全両振り試験
(b)あらかじめ、軸差応力を加えておき、その後に軸差応力挙動を与える試験で、せん断応力の方向を反転させる場合(不完全両振り試験)
(c)(d)せん断応力の方向を反転させない試験
(2)ひずみ制御試験
軸変位(軸ひずみ)振幅を一定にして、繰返し載荷する液状化強度試験です。繰返し回数の増大に伴う軸荷重(軸応力)を間隙水圧の変化量を測定して、繰返しひずみ振幅との関係を求めます。
地盤工学会「土質試験の方法と解説」 |
(3)不規則波載荷試験
JGS 0541では、供試体に一定振幅の正弦波を繰り返しせん断応力として加えた結果を、波形の不規則性の影響を補正して設計指針に用いています。一方で、実際に観測された加速度記録や地震応答解析などで求めた不規則波を直接供試体に載荷することによって発生するひずみや過剰間隙水圧を求めます。
(4)動的強度試験
地盤材料の静的強度と比較検討する目的で行われるケースが多い試験です。載荷方法は、図に示すほかに不完全両振りと、片振りによる方法があります。繰り返し回数は10波程度で、設定する載荷段階数は5〜10段階とし、載荷波形は正弦波や不規則波でも実施します。なお、岩石試験でも「岩石の多段階繰返し非排水三軸圧縮試験(JSG2561)」があります。
(5)残留変形特性試験
地震時に非排水状態で繰返し載荷を受けると強度が低下し、流動すべりが生じることがあります。残留変形とはある外力を受け、その外力を除去されても残っている変形をいいます。
中空ねじりせん断試験装置による液状化強度特性試験
(1)繰返しねじりせん断試験
原地盤内の三次元応力・ひずみ状態や経路を再現できる試験です。土の繰返しせん断強度に対する初期異方性土構造、中間主応力の影響検討、不規則波荷重による繰返しせん断試験が可能等の特徴があります。
図は不規則波による液状化試験例です(応力、ひずみ、過剰間隙水圧)。
■供試体寸法(mm)
φ70㎜(内径30㎜)×h70㎜ |
φ70㎜(内径30㎜)×h100㎜ |
φ100㎜(内径60㎜)×h100㎜ |
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波形サンプル図 |
静的試験
(1)平面ひずみ試験
河川堤防やフィルダム、連続フーチングの基礎地盤など軸方向に長い構造物で、平面ひずみ状態にある土要素の強度や変形特性を調べる試験です。
■試験種類
・平面ひずみせん断試験(静的試験)
・クリープ状態の平面ひずみ測定
・2側方応力の計測(せん断時)
・繰返し平面ひずみせん断試験(動的変形特性試験)
■供試体寸法(mm)
□50㎜×30㎜×h70㎜ |
(2)リングせん断試験
せん断角度360°、せん断後の横方向透水試験。
■供試体寸法(mm)
φ100㎜(内径60㎜)×h20㎜ |
(3)室内ベーンせん断試験
練り返したシルトなどの超軟弱粘性土や、もろい粘土のせん断強さと鋭敏比の測定が可能です。